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血のあたため方

わたしとこの間死んでしまった猫は15年8か月の間ほとんど離れて過ごしたことがない。寝る時も一緒で起きる時も一緒だった。眠たくなっても私が起きていれば頑張って起きているような子で、いつも視界の中にいる子でした。だから目が覚めると私はまだ布団をめくってしまうし、お風呂上りにはドアの前で待っててくれてる気がしてしまうし、出かけた後、家に帰ってくるとおかえりを言ってくれると一瞬錯覚してしまう。一瞬だけの勘違いに気が付く時の血が凍るような悲しさのことをなんて言えばいいのか今はまだ言葉が見つからない。言葉がみつからないからうまく泣けないのかもしれない。私はまだ猫が死んでしまったことを本当には信じてないんだと思う。つらいはずなのにあんまりなにも感じない。時々気が狂いそうになるだけで、でもそれもまだなんとか耐えられる。生きてる実感があまりないっていうのはこういう感じなのかなって気もするけど、それで別にいいかなとも思ってしまう。だけど、私が生きてないんじゃ私の描く絵も描く漫画もどれも死んでるみたいに見えて誰の心にも響かなくなっちゃうんじゃないかなと思う…それはやだな。だけど、どうすれば血の温度があたたかくなるのか全然わからない。どうすれば人間らしくなれるのかわからない。水をかけられて死んだ火をもう一度燃やす方法なんてわからない。私は今湿気た薪みたいいに人間が湿気てて、未来をみる力なんてない。今すら目を眇めてしか見られない。こんなんで描けるものなんかあるのかな?まだ生きてたいとは思うけど、それとおんなじくらい以上にもう生きていかなくてもいいかなとも思ってしまう。明日目が覚めても、明後日目が覚めても頑張り続ける気力がどうも湧きそうにない。そんな日々を送っています。リハビリ的にイラストを描いたりするとは思うけど、まだまだ自分が今何をやってるかはあんまりわからない状態なので、長い目で付き合って下さるとありがたいです。

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テーマの著者 Anders Norén