パロディと盗用が混淆されるということ

引用するときってのはそれが自分のものではないことを示さなくてはいけない。そうでなければ真っ当であるべきグラウンドにグレーゾーンが生まれる。剽窃する人間に都合のいい印籠を使わせてしまうことになる。そういった混乱を来たしたゾーンの中では、まっとうな愛読家を疲弊させてしまう。それは一番避けたい趨勢だと思う。汚染を許したグラウンドの中ではコンテンツは下流の濁流に少しずつ飲み込まれていく。もう取り戻せないほど汚染されたあとでは櫛の目が欠けるように名作が忘れ去られ、金字塔的古典もただのフォリーと化し、誰も作品の深奥を探ることに興味を持たなくなり、退屈と無言の中で生きなくてはいけなくなる。一度バカになったものを光り輝かせるには並大抵の情熱では間に合わない。誰もそれを待つことすらしていないならなおさら。そういう情熱の褪せてしまう愚行を犯さないようにしようよ。愚行を弾劾するのは危険だからさ。だからマウントに立つなら誠意を抱き続けるべきだと思う。前置きが随分長い。要するに典拠を示せない作風の作品の中で無断使用するのは慎もう。これは正直この地球上に実在するたった一人の漫画家に向かって言ってるんだよ実は。意地悪ですかね。でも無断流用と出典を示さないで盗用するのはこんな嫌味を言うよりもっとはっきり「悪」ではないだろうか。私はあーゆーのだいっきらい。