nyamotwo

労働者

ぼくは何かアクロバティックな解法で自分の特別性を証明することに躍起になっていただけなのかもしれない。それゆえに混乱を極め、もののわからなさを拗らせまくって自分を墜落させた。でも地面に堕ちてみるとただなんとなくぶち上がっていただけでそこに大した謎も答えも喜びもないことに気がつく。地面には寡黙な庭師がいて黙々と自分の畑を耕して生きてる。その世界は広くて寂しくて孤独だと思うけど、上に飛んでいる屋台の醜怪さよりはずっと美しさに近い。あんなものは妖怪だの悪鬼だの悪霊だのそんないい言い方をするもんじゃない。もっともっとしょうもなくてみっともなくて見窄らしい。全面がガラスから成ってるショールームみたいなもん。けつの穴まで丸出しで昼から酒を飲んで屁を垂れて糞をしてあがりをもどす餓鬼みたいな
それでもそこにいたい奴はいるんだろう。確かに地上は天国でもないしまして地獄でもない。なんのロマンも夢もない。でも私は地面の上で生きていこうと思う。少なくとも地上には酒場がある。ちゃんとした建材で建てられた酒場がある。のみと言われても塩と思っていたい。こういう労働の末に酒を煽るから美味しいんじゃないかと思うんだよね。

次へ 投稿

前へ 投稿

返信する

© 2024 nyamotwo

テーマの著者 Anders Norén